娯楽ノート

エンタメ全般についてのことを書きます

映画いろいろ(エスター ドント・ブリーズ イット・フォローズ ファニーゲーム キャビン)感想

 

最近見た・見返した映画いろいろ。ちょっとネタバレもあります。

 

 エスター

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  〈あらすじ〉

ある夫婦が流産による傷を癒すために孤児院から、才色兼備のエスターを引き取るも、徐々に恐ろしい本性を現していくエスターの狂気を描いた映画。

〈面白かった点〉

話の大まかな設定としては「ゆりかごを揺らす手」を彷彿とさせますね。外部の者がある一家に潜り込んで、恐怖で混乱させるという点が似ています。あと、エスターがトイレで感情を爆発させるシーンがあるんですけど、似たシーンが「ゆりかごを揺らす手」でもあるので、意識しているのかなと感じました。
何と言ってもこの映画の見どころはエスターの正体だと思います。エスターの正体予想が当たった人いるのかな。自分は思いっきり外しました。かすりもしませんでしたね。全然予想していなかった結末だったので、後頭部を殴られたような気分になりました。それと同時に、エスターがそれまでにとっていた言動一つ一つに合点がいきました。お母さんにはきつく当たることとか、お父さんにはべたべた甘えるのとか、残忍な行動の数々、全て繋がる感じが気持ちよくもありましたね。エスターの正体を知った上で、もう一度観るとより楽しめると思います。それであの問題のシーン。自分が勝手に問題のシーンと言っているだけなんですけど、夫婦の夜の営みをエスターが覗くシーンです。あそこを見るたびに思うんですけど、あの時のエスターはやっぱり溜まっていたんですかね。初見の時は、ただの嫌がらせなのかなと思っていたんですけど、エスターの正体を知った上で見ると、見え方が変わって笑ってしまいました。
ところで、エスター役の女優さんは当時12歳くらいなんですけど、12歳の子が演じているとは思えない狂気に満ちた表情を随所でしていて、もの凄いなと思いました。怖すぎる。美人なんですけど、ミステリアスで何をしでかすか分からない雰囲気があって、本当にはまり役でしたね。
 

 

 ドント・ブリーズ

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 〈あらすじ〉

金を盗むために退役軍人のお爺さん家に侵入した若者3人が、お爺さんに返り討ちに遭う映画。

〈面白かった点〉

映画に限らないですけど、物語というのは主人公に感情移入をさせて視聴者を惹きつけるものだと思うのですが、この「ドント・ブリーズ」はあらすじからも分かる通り、主人公達は犯罪者です。よって主人公サイドにそこまで気持ちを入れることができない仕組みになっています。主人公側の女の子に一応盗みをしている可哀そうな理由があるんですけど、それでも犯罪には変わりないので酷い目に遭ってもそこまで同情することができませんでした。むしろこの映画の恐怖の部分を全面的に担っているお爺さんの方に「強盗に入られて可哀そうだな」くらいには思っていたんですけど、お爺さんの方も中盤で、普通の人じゃないということが発覚するシーンがあって、それ以降はいい意味でどちらにも感情移入することができず、純粋に暗闇の閉鎖空間での命の取り合いを楽しめました。どちらが生き残ろうが死のうが構わないという、こういうサスペンス・ホラー系の映画では珍しいフラットな気持ちで最後まで見ました。

タイトル「ドント・ブリーズ」ですけど、意味は映画を見始めてすぐに分かりました。お爺さんは現役の軍人の時に目を負傷して失明しているという設定があります。よって嗅覚や聴覚を駆使して家に侵入した主人公達を捕まえようとするんでよね。それで、主人公達は気づかれまいと息を止める描写がとても多いです。文字通り息を吞む、緊迫感のあるシーンの連続で、怖かったですね。とても面白かったです。

これは自分事なんですけど、登場人物が息を止めていたら、一緒に息を止める癖があるので非常に苦しかったですね。ただでさえ、緊張感のあるシチュエーションで鼓動が高鳴るシーンの連続なので、二重に疲れました。

 

 イット・フォローズ

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 〈あらすじ〉

性行為を行ったことによって、霊に追いかけまわされる映画。

〈面白かった点〉

こんなヘンテコな設定の映画観たことないです。性行為をしただけで霊においかられるって堪ったもんじゃないですね。

海外ホラーは、性行為をしたりいちゃついている男女は凄惨な結末を迎えるという1つのお約束みたいなものがありますけど、この「イット・フォローズ」はそれを全面的に取り上げたような映画でしたね。

この映画に登場する人間に取り憑いて殺しに来る霊は、性行為をすることによって人から人へ移すことができるんですね。自分が霊に感染した場合は、誰か別の他者と性行為をしたら、相手に霊を移して自分は助かるんですよ。このあたりの設定は「リング」っぽいなと思いました。抜本的な解決方法はないけど、他者を犠牲にすることによって自分は助かるところとかね。

それで問題の霊自体については、一時しのぎの対処法以外映画内で全く説明がされていません。完全に謎のまま終わっています。霊について考察の余地もないくらい何も分からなかったです。さらにこの映画は、本編に登場する霊についてより混沌とさせる描写があるんです。なんと霊に物理攻撃が効くという斬新な設定がありました。驚愕しました。普通の特別な能力を持っていない人間が、実体を持たない霊に「触れる」ことができるという、観たことがないです他の映画で。そのことが発覚するシーンで「効くのかよ」と思わず笑ってしまいました。「物理攻撃が効いたらそれもう霊じゃないじゃん」とも思ってしまったんですけど。この設定のおかげで、訳の分からなさが加速しました。

設定の変わっているところや面白い部分に注目してしまいましたけど、内容はとても怖かったです。設定は斬新でしたが、人間が逃げて霊が追いかけるという王道のホラー映画でしたね。特に好きなところは、いきなり霊が目の前に現れて「ギャー!!」という感じではなく、画面の奥の方からゆっくりと主人公に霊が近づいてくる撮り方をしていて、徐々に恐怖が迫ってくる魅せ方がとても好みでした。

上記にも書いている通り大量の謎を残したままこの映画は終わるんですけど、良いもやもやでしたね。映画内ですべて完結させるんじゃなくて、視聴者にいろいろ想像させてくれる映画は好きです。この映画怖さや面白さだけではなく、誰かと語りたくなるような映画でしたね。

まあ最後に一つ思うのは、意味とか解釈とかそんなものは度外視して、「恋人がいるような奴らは全員死ね」的な怨念のような感情で生み出された映画のような気もしました。

 ファニーゲーム

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〈あらすじ〉

平和に暮らしているある一家の元に謎の2人組の男が現れ、理不尽且つ暴力的なゲームを始める映画。

〈面白かった点〉

内容は理不尽な暴力に次ぐ暴力で面白さよりも不快感の方が強かったです。2人組の男がとにかく謎で、タイトル通りゲーム感覚で残忍な行動をとって楽しんでいる様子に心底腹が立ちますし、理由なき犯罪は恐怖だと改めて再認識しました。

そんな中でも特に終盤、ゴルフボールが転がって来るシーンの恐怖は半端じゃなかったです。「もうやめてくれ!」「勘弁して」と心の底から思いました。初見の時は一回停止しました。怖すぎて。

あと、恐怖とは別に面白い演出がいくつかあって、2人組の男の1人が視聴者に語り掛けてくるシーンがあったりします。「第4の壁を破る」という演出らしいです。要はメタフィクションですね。もう一つ目を疑った演出がありました。しかも緊迫感が最高に高まってくる終盤のシーンで、あんなふざけた演出コメディ映画以外で取り入れていいのかと思いました。「なんでもありじゃん」「卑怯だろ」と感じて、ちょっと笑いましたけどね。

不快感や胸糞悪さを煽る映画としては、一級品だと思います。

 

 キャビン

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  〈あらすじ〉

学生5人組が山奥の別荘に行き、化け物に襲われる映画。

〈面白かった点〉

あらすじから分かる通り、海外ホラーではよくある展開です。「死霊のはらわた」をオマージュしているような気がしますね。どちらの別荘にも鹿の首のインテリアが装飾されていましたし、地下室のアイテムがトリガーになって化け物が始動するところもそっくりですね。

死ぬキャラ・生き残るキャラは大体予想通りに展開していくんですけど、常時薬物を吸っている、ラリパッパの兄ちゃんが死んだかと思われたが生きていて、物語のキーマンになっていったのは驚きましたね。チャラけていて、主人公とも特に関係がなかっただけに、完全に予想外でした。知的で真面目な彼が生き残ると思ったんですけどね。まんまと裏をかかれてしまいました。

そしてこの映画の肝は、化け物を裏で操っている組織の存在ですね。地下にコントロールルームみたいなものがあって、そこで世界中の化け物や幽霊を管理して操っている連中がいるんですよ。つまり、この「キャビン」の世界で起きるホラーや怪談全般の出来事は、この組織が仕向けているという結構壮大な設定があります。

この組織の連中は怪物に人が襲われるところを楽しんで観戦したり、どんな怪物が襲うか賭け事をしたりと嫌な奴らなんですけど、終盤にきちんと制裁が下ります。その終盤のシーンこそこの映画最大の見どころである、化け物オールスターのシーンですよね。定期的に観たくなる映画って、定期的に観たくなるシーンがあるんですけど、キャビンの場合はこのシーンです。はじめて観た時は何度もリピートしましたよ。「いいぞ!やれ!やれ!」といった感じで、テンションが上がりました。名シーンだと思います。